それでは早速、VRコンテンツの制作を始めたいと思います。
まず、「data」フォルダを開いてください。
このフォルダが今後ゲームに関する情報を保存する場所になります。
今後はこのフォルダを「dataフォルダ」と呼ぶことにします。
それでは、dataフォルダの役割を簡単に説明しておきます。
今は「こんなのがあるんだ〜」くらいの感覚でかまいません。このあと、必要な場面になったら詳しく説明します。
プロジェクトフォルダの中から、scenarioフォルダを開いてください。
その中の「first.ks」をエディタで開きます。
中にはサンプルゲーム用のスクリプトが書かれていますので全て消してください
まっさらな状態になったら、以下の内容をコピーしてfirst.ksに貼り付けてください。
;チュートリアル用スクリプトファイル
[wait time=2000]
テスト1行目[p]
テスト2行目[p]
テスト3行目[p]
コピーしたらwebサーバーに保存してください。
VR機器、もしくはPCのブラウザを起動してアクセスします。
VR機器をかぶって動作確認する場合は、
右下のメガネアイコンを押してVRモードへ移行した後
コントローラーをVR空間の下に向けてトリガーをクリック
して進めます。
PCブラウザから確認する場合は、キーボードのエンターやマウスホイールを下に回すことで進めることができます。
編集のたびに、毎回VR機器をかぶって動作確認するのは面倒ですよね。
PCで大まかに開発を進めた後、VR機器をかぶって確認するとよいでしょう
実行結果
クリックするたびにVR空間に文字が表示されますね。
先ほど記述したシナリオファイルを順番に解説していきます。
まず、1行目の記述
;チュートリアル用スクリプトファイル
注目すべきは、文章の最後についているタグです。テスト1行目[p]
テスト2行目[p]
テスト3行目[p]
ティラノスクリプトでは、通常の文章とタグを組み合わせてゲームを作成していきます。
角カッコ [ ] で囲まれている部分がタグです。
タグは普通の文章とちがって、ゲームに動きを与える特別な動作をします。
例えば、[ p ] はクリックを待つという動きをゲームに与えましたね。
もう一つ例を挙げますと
[wait time=2000]
このタグの場合wait というタグ命令 と time=2000 という属性が付与されています。
意味は処理を一時的に止める(wait) 2000ミリ秒の間(time=2000)
つまり、このタグの場所で2000ミリ秒間、処理を止めることができる命令です。
タグには沢山の種類があり、それらを使うことで多彩な表現ができるようになります。
ただ、タグの基本はこれだけですから、後は使用方法を調べるだけで使えるようになるでしょう。
タグは以下のように書くこともできます。意味は全く同じです。
@wait time=2000
( [wait time=2000]と全く同じ動作)
@(アットマーク)で始まる行はタグとして認識されます。
ただし、1行で完結させる必要があります。
テキストには、HTMLとCSSによる装飾指定が使えます。
例えば次のように記述します。
;テキストの一部を変更
これを使用すれば、幅広い表現が可能ですね。
テキストの<font color="red" >ここだけ</font>赤くなります。[p]
;斜体を適用
これは<i>斜体</i>です[p]
;ルビを振ります。
<ruby><rb>米国</rb><rt>アメリカ</rt></ruby>を振ります[p]
標準だと、テキストは目線に追従して、下の方に表示されるかと思います。
この位置は自由に変更することができます。
次のスクリプトを試してください。
[msgopt y=1 ]
メッセージの位置が自由に変更できるのが確認できますね。
メッセージが目線より上に表示されます[p]
[msgopt y=0 x=2 ]
メッセージが目線より上に右に表示されます[p]
[msgopt y=0 x=-2 ]
メッセージが目線より上に左に表示されます[p]
[msgopt x=0 y=0 z=1 ]
メッセージが近くに表示されます[p]
ちなみにデフォルトの位置は
[msgopt x=0 y=-0.5 z=2 ]
標準だと、顔を動かすと常に目線の前にメッセージが表示されます
この位置を固定にすることができます。
次のスクリプトを試してください。
[msgopt fix=true ]
このメッセージは目線に追従する[p]
[msgopt fix=false ]
このメッセージは目線に追従しない[p]
用途によって使い分けましょう